肺水腫(はいすいしゅ)
- 種類
- 犬/猫
- 症状
- ぐったりしている/元気がない/咳が出る/舌が青い
- 病気
- 心臓の病気/緊急性の高い病気
ワンちゃんの僧帽弁閉鎖不全症
ネコちゃんの肥大型心筋症
多くの心臓病の病態として、
一番気を付けなくてはならないのが
この「肺水腫」という病態です。
心臓というのは、血液を体に送り出すポンプの役目をしていますが
血液が上手く送り出せなくなるのが
多くの心臓病の状態です。
上手く送り出せなかった血液は心臓に留まり、
血液が溜まってしまった心臓は大きくなります。
少し難しい言葉ですが「うっ血性心不全」という状態です。
特にワンちゃんの僧帽弁閉鎖不全症では
心臓の左側の部屋(左心)の弁で逆流が起こるため
左心に血液が溜まる状態となります。
左心へやってくる血液は、全身→肺→左心という
順番でやってくるのですが・・・
左心に血液が溜まってしまうと、肺から血液が
送り出せない状態となります。
ということは、肺にも血液が溜まってしまいますね。
肺という臓器は、細い血管が多く発達しているため
心臓のように大きくなることで血液を溜めこむことが出来ません。
肺の血管が容量オーバーになってしまうと
血管内から水分が肺へと染み出ていきます。
肺というのは呼吸を司る臓器ですから
多くは空気が入ることのできる部屋になっています。
そこに水分が入ってしまうとどうなるか・・・
「体の中から溺れてしまう」という怖い状態になります。
これが「肺水腫」です。
長く説明してしまいましたが、
肺水腫の状態になってしまうと
呼吸がままならなくなってしまい、
命の危険に直結します。
肺水腫も軽症であれば、利尿剤のような
お薬を使うことでコントロールすることが出来ます。
心臓病の子の飼い主さんには
*咳が出てないか、増えてないか
*家で安静時の心拍数や呼吸数をチェック
*舌の色をこまめにチェック
上記の項目を生活の中で見て頂くことが大切になります。
勿論お薬を飲むこと、食事は塩分を控えめにすること
定期的に動物病院で、
今の状態を検査して把握することもとても大切です。
心臓病と診断されている子で
明らかに元気がなくなり、舌が蒼い、呼吸が荒い
咳が多い、などの症状が見られましたら
早めの受診をお願いします。