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042-753-6308

【診療時間】9:00~12:00 / 16:00~19:00
※水曜、祝日午後は休診。

症状別症例紹介

膵炎(すいえん)

種類
犬/猫
症状
ぐったりしている/下痢、軟便をする/元気がない/吐く/食欲がない
病気
消化器の病気/緊急性の高い病気

膵臓というのは十二指腸の近くにある臓器で

消化酵素を出したり、ホルモンを分泌したりと

大変重要なはたらきをする臓器です。

 

膵炎には急性膵炎慢性膵炎の二つがあり、

そのうち急性膵炎は命にも関わるとても重大な病気です。

症状の多くは食欲不振や嘔吐、下痢など一般的なもので

以前までは病院内で診断することが難しい病気でした。

今では病院内で測れる検査項目や検査キット、

外注検査で比較的速やかに判定することも可能になっており

診断することが増えてきた病気の一つです。

 

膵炎の原因は様々あり、

食事内容や膵臓の損傷、感染や腫瘍、

隣り合う臓器の炎症なども原因となることもあり

特定することはとても困難です。

 

急性膵炎は膵臓の急激な傷害によって

全身性の炎症反応へと繋がる場合があり、

循環不全や多臓器不全、代謝異常などを起こす原因になりえます。

また、DIC(播種性血管内凝固)といって

微小な血栓が全身にできることで、

血液の凝固不全を起こす致命的な病態を起こすこともあります。

膵炎が緊急性の高い病気である理由はここにあります。

 

慢性膵炎となっている場合にも油断はできません。

健康診断で「リパーゼが高いですね」と言われたことのある

ワンちゃんネコちゃんもいると思います。

「特に症状もないし、大丈夫よね」と思っていると

慢性膵炎から急性膵炎へ変化することもあるのです。

術後などで一時的に高い場合もありますので

定期的に血液検査でチェックし、食事内容などに気を付けましょう。

 

膵炎の一般的な治療は、まずは食餌療法です。

脂肪や炭水化物の消化をおこなう臓器ですので

膵臓に負担のかからない「低脂肪」のフードに変更したり

また、オヤツを減らしたり中止したりする場合もあります。

炎症を抑える注射薬なども近年開発されていますが

基本的には点滴を伴う入院治療や、連日の通院が必要となります。

 

膵炎は消化器症状の中でも、強い腹痛が現れることがある病気です。

食欲不振や嘔吐、下痢などは多くの病気でおこる症状ですが

なかなか治ってこない、お腹が痛そうで震えている、うずくまっている

などの気になる症状があれば

お早めに病院にご相談ください。