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042-753-6308

【診療時間】9:00~12:00 / 16:00~19:00
※水曜、祝日午後は休診。

症状別症例紹介

動脈血栓症(どうみゃくけっせんしょう)

種類
症状
ぐったりしている/元気がない/後ろ足を痛がる/食欲がない
病気
心臓の病気/緊急性の高い病気

ネコちゃんに多いとお話しした心臓病に

「肥大型心筋症」というものがありますが

肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)

 

その中でも最も恐ろしい合併症が

こちらの「動脈血栓症」です。

 

肥大型心筋症では、心臓の壁である心筋が厚くなることで

心臓の中のスペースが小さくなり

血液を上手く送り出すことが出来なくなってしまいます。

心臓の中で送り出されないままぐるぐると留まる血液・・・

これが「血栓」という血の塊を作ることがあります。

心臓というのは、普通の血管よりも大きなスペースを

もっている臓器です。

ここで作られた血栓は、普通の血管で作られるものよりも大きく

なってしまいます。

 

心臓は常に動いていますから、何かの拍子にこの血栓が

心臓から流れ出て、血管へと移動することがあります。

しかし心臓で作られた大きな血栓は、体の隅々にいきわたるために

どんどん細くなっていく血管を通ることはできません。

大きな血栓は、比較的大きな血管でも通ることが出来ないため

体の末梢である手足よりも心臓に近い位置で

詰まってしまうことがあるのです。

 

血栓が詰まってしまうと、血液が流れなくなってしまいます。

すると細胞が生きていくために必要な酸素や栄養も届かなくなり

血液が届かない組織が死んでしまいます。

 

多くの場合、後ろ足を初めとする下半身に症状が出ます。

突然後ろ足が立たなくなった

触ると嫌がる、痛がる

後ろ足が冷たい

などの症状が確認できます。

 

血栓ができて血流が止まってしまい、

組織が死んでしまうまでは時間との勝負になります。

様子を見ることなく、即座に動物病院を受診してください。

夜間であれば救急病院へ。

さらに、かかりつけの一次病院ではこの血栓を「溶かす薬」

は在庫していないことが多いです。

多くの場合は、二次病院へ紹介・転院していただく

流れとなりますが、それも一刻を争います。

 

血栓の詰まっている箇所によって

足だけではなく、お腹の臓器にも血液が行き渡らないことも多いです。

そうなると命を落とす危険がかなり高い状態となります。

 

心臓病を患っているネコちゃんには、

進行状態に応じて「血栓をできにくくするお薬」を

飲んでもらう場合があります。

また、ネコちゃんの心臓病はワンちゃんに比べて診断がしづらいです。

定期的な通院や検査は勿論、心臓病と判明した時には

おうちでの様子に注意してあげてください。