軟便、下痢の時に気を付けたいこと
夏場には消化器疾患の患者さんも増えてきます。
軟便や下痢の症状で動物病院にかかる時には
問診でチェックされる項目がいくつかあります。
☆イタズラで物をかじったり、拾い食いはありませんか?
特に若い犬猫の場合、おもちゃをかじっていて誤食してしまったり
家具や床材、ペットシーツをかじってしまうことがよくあります。
下痢や軟便の原因として、「口から入ったもの」は原因の一つ。
治療で一時的に改善しても、誤食を繰り返すのはよくありません。
しつけやトレーニングが必要になることもあります。
☆フードの変更や新しいオヤツの導入はありませんか?
食べ物に「過敏症」をもっている子は意外と多くいます。
アレルギー検査で引っかからなくても、
「食べるとお腹を壊す」ものがあります。
少量なら大丈夫でも多量ではダメであったり、
原材料は同じでもメーカーが違うと合わなかったり、ということも。
食生活に変化があったかどうかは、重要な情報です。
☆嘔吐はありますか?食欲は?
消化器症状は、一つとは限りません。
嘔吐がある場合、食欲がある場合には
消化管の広い範囲に炎症がある場合があります。
実は「膵炎」や「肝臓の病気」が隠れている場合も・・・
症状によっては、画像検査や血液検査が必要になる場合もあります。
☆便の状態や回数は?
便の状態や回数から、消化管のどこに問題が起こっているのかを
推測することが出来る場合があります。
便の検査は、排便してから時間のたっていないものが望ましいので
少量を顕微鏡で見る程度でしたら、肛門から直接採材することも可能です。
病院に来る直前に排便があった場合には、お持ちいただくと
診断の助けになる場合もございます。
軟便や下痢のとき、
「ご飯を食べさせて良いのか」
「お水を飲ませて良いのか」
「心配なので美味しいものを与えてよいか」
というご質問をよくいただきます。
多くの場合にお伝えするのは
「食べるものはいつも通り、出来るだけシンプルに」
「脱水に気をつけてしっかりお水は飲めるように」
「消化管が弱っているので、量は多すぎないよう、種類は変えないように」
勿論、状態によっては食事を変更してもらったり
食事量をかなり制限してもらったりする場合もありますので
必ず動物病院で指示を受けてくださいね。