嫌いなことを我慢してもらう
さて、ワンちゃんネコちゃんの
「好きなこと」「嫌いなこと」を把握してもらったら
皆さん「やろう」と思うのは
「嫌いなことを我慢して受け入れてもらう」ということですよね。
確かにトレーニングで目指すところはここです。
しかし、「我慢してもらう」ためにはまず
「飼い主さんとの関係性をしっかり築く」
「好きなことを効果的に使ってご褒美とする」
「待て、など制止できる合図を教える」
ことが出来てから・・・というのが鉄則です。
いきなり「よし!今日から歯磨きやるよ!」「爪切りするよ!」と言っても
勿論受け入れてはもらえません。
ここまでを前置きとして読んでいただいた上で。
さて、ではどうやって「我慢してもらう」過程を作っていくか。
嫌がる、苦手、ということは「嫌なことがあった記憶がある」ということです。
まずはワンちゃんネコちゃんが、「今」どこまでさせてくれるかを見極めましょう。
例えば爪切りが苦手な子。
きっと爪を切られて痛い思いをした、不快感があったという記憶があります。
ではどこまでなら許してくれるでしょうか。
まずは爪切りを飼い主さんが「持つ」ところから。
そして「持った状態でその子に触る」ところからです。
痛くないよ、怖くないよ、嫌なことは起こらないよというのを
根気よく教えていきましょう。
ここで大事なのは「嫌がったら止める」ではなく
「嫌がっても無理強いする」ことでもなく!
嫌がらず触らせてくれたら、思いっきり褒めること!!です。
例えば嫌がって、怒ってしまう逃げてしまうのであれば
一段階前からやり直しです。
出来るところを見つけて褒めてあげることが大事。
嫌がったところで止めてしまうと、
「嫌がれば止めてくれる」とインプットされてしまい
「じゃあ次はもっと前から嫌だと主張する!」という悪循環に陥ります。
こうなると、嫌なことをされる前に「うなる」「かみつく」「ひっかく」など
問題行動へと繋がってしまいますので、気を付けましょう。
逃げずに触らせてくれたらすかさず「ご褒美」
また、唸る前に制止のコマンド(待て、などの声掛け)をして
我慢が出来たらすかさず「ご褒美」です。
この褒めるタイミングはとっても重要ですので
普段からしっかりその子の気持ち、表情、行動を見ておかなくてはなりません。
そこから段々と、足先を触ったり、爪切りをカシャカシャと動かしたり
爪を切る真似をしてみたり・・・と段階を上げていきます。
本当に細かく段階分けをし、徐々に進めていくことが大切です。
足先を触られるのを嫌がる子は多いので、一見重要でないと思われているコマンド
「お手、おかわり」を教えてしまうのも良いですね。
(モモはご飯の前に必ずやっています。苦手ですが手をぎゅっと握るまでさせます。)
子犬や子猫でないとトレーニングは難しい、というのは
今まで嫌なことの経験が少ないからです。
その分、させてくれることも多いので
幼いころに色んな場所を触らせる子にするというのは
とっても大事なことです。
耳をのぞく、目の周りを拭く、足先を触る、尻尾を触る、口を開けてみるなど
どれも治療や診察で、触ることが重要な部分です。
家でもどんどん触って、触らせたらどんどん褒めていきましょう。
大人の犬や猫でも、勿論トレーニングは可能です。
しかし、子犬や子猫と比べて根気がいるのも本当のこと。
毎日の習慣として、是非トレーニングを組み込みながら
出来ることを増やしていってください。