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呼吸数を数えてみよう!

皆さん、我々スタッフが診察の時に体温を測定したり、

聴診をしたりするのを見かけるのではないでしょうか。

「体温」「心拍」「呼吸」は診察の基本となる重要な事項です。

コロナ禍の間、体温計が家庭でフル活用されていたお家も

多いのではないでしょうか。

 

しかし、ワンちゃんネコちゃんの「体温」は

基本的に直腸温を測定するため、お家ではちょっと難しいですよね。

診察の時、注射より体温測定を嫌がる子も多いです。

「心拍」は痩せている子なら、体に手を当てて測れなくもないですが

基本的には聴診器を使わないと難しいことが多いです。

 

そこで、「呼吸」です。

呼吸は胸の動きを見ることで測ることが出来るので

特別な器具など使わず、またワンちゃんネコちゃんにストレスなく

ご自宅でも測ることが可能です。

胸が膨らんで(息を吸って)、元に戻って(息を吐いて)、で1回と数えます。

基本的には1分間の呼吸数を指標としますが

1分間目を離さず、というのもなかなか大変かと思いますので

例えば15秒や20秒間数えてみて、それを60秒に換算するのもアリです。

 

寝ている間の呼吸数や

安静にしている時の呼吸数をご自宅で数えてみましょう。

病院に来てしまうと、ワンちゃんネコちゃんは

少なからず緊張、恐怖してしまい、呼吸数も通常より多いことがあります。

安静時で15~25回(1分間)が正常な呼吸数の目安です。

 

「なんだか呼吸が早いみたい」と来院した時には

「胸水」が溜まっていて肺を圧迫していた、なんてこともあります。

心臓の悪い子呼吸器疾患のある子は勿論、

内分泌疾患を持っている子も呼吸が早くなったりします。

また、貧血などで呼吸が早くなることもありますので

腎疾患などを持っている子も、呼吸数には気を付けていきたいですね。

 

ワンちゃんでは口を開けてハアハアと呼吸する仕草はよく見られますが

ネコちゃんでその動作(パンティングと言います)をしている場合は

かなり呼吸が苦しい状態ですので、早めに来院をお願いします。

また、呼吸が苦しいときには舌の色にも注意したいところ。

チアノーゼ(血液中の酸素が足りていない状態)になると

舌の色は通常よりも白っぽかったり青っぽく見えることがあります。

チアノーゼが続くということはかなり危険な状態ですので

健康時の通常の舌の色も、なんとなく覚えておきましょう。

 

おうちで異常を見つけて頂くことは

病気の早期発見、早期治療に繋がります。

是非、おうちで出来る健康チェックとして

呼吸数を数えてみてくださいね。

監修者情報

まみや動物病院 院長

間宮 一美

略歴
  • 1991年3月 麻布大学卒業・獣医師免許取得
  • 2001年4月~2005年3月 麻布大学専科研修医所属(腎泌尿器科・一般外科)
  • 2017年4月~2020年3月 麻布大学専科研修医所属(腎泌尿器科・一般外科)
  • 2023年4月 腎泌尿器学会認定医取得
所属学会
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 日本獣医腎泌尿器学会
  • 日本獣医学会
  • 日本獣医寄生虫学会

親戚が畜産農家を営んでいたため、幼い頃から動物と触れ合ってきました。当初は産業動物の獣医師を目指しましたが、「動物の命を救いたい」という想いから、犬や猫を専門とする獣医師へ。開業から20年以上経った今も、獣医療への情熱は変わりません。休日は研修に参加し、趣味はバイクと映画です。愛犬のボクサーと猫と一緒に暮らしています。