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ブログ病気

腎臓が悪いと言われたら

健康診断として血液検査を受けたところ

「腎臓の値が上がっていますね。」

と言われることが、シニアになると出てくる子もいると思います。

特にネコちゃんは、古くは砂漠の生き物であった関係からか

尿を濃縮する働きが強く、そのためか「腎臓病」になる子が多く見られます。

 

では「腎臓が悪くなってきています」と言われたら

今後どう治療していくのでしょうか。

 

腎臓が悪くなると通常排泄されるべきものが、

体内から上手く排泄されなくなります。

また、腎臓では体に必要な水分を再吸収する働きをしていますが

これが上手くいかなくなることで

脱水症状に陥りやすくなります。

 

血液検査で腎臓が悪いと診断が下りたら

まずは画像検査尿検査をおこなっていきます。

尿の濃縮や、タンパクの漏出などが起こっているか。

また、実は腎結石や尿管結石による一時的な腎障害であった場合には

外科手術によって結石を取り除くことにより

腎障害を改善できる場合もあります。

画像検査や尿検査は、腎臓病と診断された場合

血液検査と一緒に、定期的におこなっていくようになります。

腎臓病が進行していった場合、高血圧も症状に加わることがあります。

その場合、血圧測定なども検査に含まれるようになります。

 

腎臓病が初期であった場合まずは

「療法食」への切り替えをお勧めします。

腎臓病の療法食は、塩分やリン、タンパク質などを制限することで

腎臓への負担を軽減する作りとなっています。

各メーカーからいくつかの味の療法食が出ています。

サンプルの取り寄せも可能ですので、是非ご相談ください。

 

また、「水をしっかり飲んでもらう」ことも大事になってきます。

特に涼しい時期には飲水量が減る傾向にあり

腎臓病の数値も悪化しがちです。

出来るだけ水分を摂りやすい環境を整える

またはウェットフードなどを用いて水分の補給をするのも良いでしょう。

 

サプリメントを利用してもらうのも一つの手です。

当院ではあまり取り扱いがございませんが、使用したい場合にはご相談ください。

 

ネコちゃんには近年、腎臓の血流を改善してくれるお薬も出ています。

継続的に飲んでいかなくてはいけませんので、

普段からお薬を飲めるようにトレーニングしていきましょう。

また、タンパク漏出性の腎臓病にもお薬があります。

 

いよいよ口から摂取する分では水分量が足りなくなってきた場合

定期的な点滴をすることで、体内の水分量を補い

尿毒素を薄めたり、腎臓を動かすよう働きかける治療をおこないます。

血管からの点滴は長い時間を要するため、入院が必要になる場合もありますが

病状が安定してきたら、自宅で皮下点滴を行っていただける場合もあります。

多い場合には毎日の点滴が必要になってくることもありますので

通院よりもご自宅で行って頂く方が、ワンちゃんネコちゃんへの

ストレスも少なく、望ましいです。

 

また腎臓では「赤血球を作る命令を出すホルモン」が分泌されており

これが足りなくなってくることで

貧血が起こることがあります。

この場合、ホルモンを注射で補ってあげる治療が必要となります。

 

腎臓病は根治ができない病気です。

しかし上手く治療をおこなっていくことで

病態によっては数年間、腎臓の値を維持していくことも可能な病気です。

動物病院と飼い主様との連携が大事になってきますので

いつでもご相談いただければと思います。