腎臓病(じんぞうびょう)
- 種類
- 犬/猫
- 症状
- おしっこが多い/よく水を飲む/元気がない/吐く/痩せてきた/食欲がない
- 病気
- 泌尿器の病気
「腎不全」という病気は、腎臓のはたらきが落ちることを言いますが
一時的なものである「急性腎不全」と
腎臓の働きが徐々に衰えてくる「慢性腎不全」があります。
特に高齢のネコちゃんではこの「慢性腎不全」が多く認められます。
「薄いオシッコを大量にする」「痩せてきた」
「食欲が落ちてきた」などが多く認められる症状ですが
血液検査をしないと多くの場合「年のせいかな」と見過ごしてしまう症状ばかりです。
シニアに差し掛かってくる8歳以上のワンちゃん、ネコちゃんは
定期的に健康診断をして、早期発見をしていきましょう。
腎不全は早期発見が確かに難しい病気です。
院内の血液検査で腎不全を発見した場合、すでに腎臓機能の75%が失われている
とも言われます。
外部の検査でもう少し感度の高い検査もおこなっていますが
それでも50%の機能が失われるまでは異常値が認められません。
腎臓は体にとって要らないものを外に出し
体に必要なものを再吸収する役割を持っていますが
まずこの「再吸収」の機能が落ちてきます。
そのため、「薄いオシッコを大量にする」という症状が出てくるのです。
病気が進んでくるとさらに「外に出す」機能が落ちてきますので
「尿毒症」といった症状が出てくるようになり
食欲不振や嘔吐などがみられるようになり、
さらにはてんかんのような神経症状が出ることもあります。
血液検査で腎不全が見つかった場合
まずはレントゲンや超音波検査、尿検査で腎臓の機能や状態を把握します。
例えばどこかに結石が詰まっている場合などは
その結石を手術で取り除くことによって、腎臓の機能が戻ることがあります。
また、腎臓や全身の血液の流れを良くするお薬を飲むことで
症状が改善、または進行を遅らせることができることがあります。
人間では腎不全になると「透析」をおこないますが
動物での「透析」治療はまだ一般的ではありません。
一般的な治療として点滴が必要になる場合があります。
点滴を行うことで体内の「尿毒」を希釈したり、腎臓が働くように促します。
点滴には入院や預かりで静脈から点滴を行うものと
通院で皮下点滴をおこなうものがあります。
点滴の方法も、その子の腎不全の状態に合わせて選んでいきます。
失われた腎臓自体の機能を戻すことは大変難しいですが
うまく治療していくことで
何年も腎不全をコントロールできることもあります。