肥満細胞種(ひまんさいぼうしゅ)
- 種類
- 犬/猫
- 症状
- できものができた
- 病気
- 腫瘍
皮膚に出来る腫瘍の一つで、比較的多く見かけるものです。
名前のイメージから良性腫瘍の「脂肪種」と
混同されている方もいらっしゃいますが、
これは全くの別物であり、肥満とも全く関係ありません!
「肥満細胞」とは元々体の中にある細胞の一つで
免疫反応に大きく関わってくる細胞です。
特徴の一つとして、「ヒスタミン」と呼ばれる物質を
出すことで、アレルギー反応などにも関りが深いです。
肥満細胞種は皮膚の腫瘍の中では、比較的多く見かける腫瘍です。
気を付けて頂きたいのは、この腫瘍は
ワンちゃんでは基本的に悪性とされることです!
ほんの小さなしこりであることが多く、見た目では良性腫瘍や
過形成などとは判別がつきません。
先程も言った「ヒスタミン」と呼ばれる物質を出す特徴がありますので
痒みや赤味を伴うこともありますが、絶対ではありません。
肥満細胞種は、針で細胞を採取してきておこなう「細胞診」で
比較的診断が付きやすい腫瘍です。
気になるしこりが出来たら、まずは色や大きさが変化してくるかどうか
早めに診察に来ていただき、検査することが重要です。
ワンちゃんでは基本的悪性であるこの肥満細胞種。
手術で切除する際には、組織を大きくとることが必要となります。
また、他の臓器に転移することもありますので
術前や術後の全身検査も大事になってきます。
悪性の中でも転移などが見られて
さらに挙動が悪いと診断された場合には
抗がん剤や放射線など、二次病院に紹介することもあります。
ネコちゃんではこの肥満細胞種、基本的に良性とされています。
しかし当院でも多発したり転移したり、
手術で切除しても何度も再発してしまうなど
悪性のものを見かけることもあります。
基本的には早期発見、早期に外科切除が望ましい腫瘍です。
気になるしこりについては、まずは病院で相談してください。