精巣腫瘍(せいそうしゅよう)
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- 生殖器の病気
去勢していないワンちゃんで時折見かけられる腫瘍です。
「精巣」はオスのワンちゃんでは通常、
陰茎の根本より肛門側にある、「陰嚢」の中に左右1つずつおさまっています。
左右の大きさは大体同じですが
高齢のワンちゃんで大きさに違いがある場合は要注意です。
精巣腫瘍はほとんどの場合
*精上皮腫(セミノーマ)
*セルトリ細胞種
*間質細胞種(ライディッヒ細胞種)
の3種類に分けられます。
良性の場合が多く、基本的には転移することも少ないと言われていますが
転移の可能性はゼロではありません。
精巣腫瘍と診断され、以後の経過観察が必要とされた場合、
レントゲンや超音波検査で、定期的に検診を受けることが望ましいです。
精巣腫瘍のうち主に「セルトリ細胞種」では
過剰な「女性ホルモン(エストロゲン)」が分泌されることがあります。
それにより、脱毛や乳房のふくらみが認められるなどの症状が出ますが
一番恐ろしい症状として「骨髄の造血抑制作用」があります。
これは血液を作るための骨髄のはたらきを抑えてしまうため
「貧血」「白血球減少」「血小板減少」などの症状が出ることがあります。
重度の貧血はもちろん、白血球減少による感染症や
血小板減少による出血傾向(出血しやすい状態)は
命の危険を伴います。
また、「停留睾丸」や「陰睾」、「停留精巣」といって
お腹の中から陰嚢へ「精巣が降りてきていない」状態の子は
お腹の中に残されている精巣が腫瘍化する可能性が高いため、
停留精巣と診断された場合、早めの去勢手術をお勧めいたします。
高齢のワンちゃんでは、他の持病があり
去勢手術も難しい場合があります。
気になる症状がありましたら、お早めに病院へご相談ください。