乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)
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- 犬/猫
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- できものができた
- 病気
- 生殖器の病気/腫瘍
乳腺腫瘍というのは
飼い主さんが気付きやすい病気の一つです。
お腹や胸をなでなでしていたら、あれ・・・?
なんかしこりがあるんじゃない??
そういった場合にはまずは病院にお越しください。
乳腺腫瘍には悪性のものと良性のものがあります。
イヌでは約半数が悪性と言われ、
ネコではさらに悪性の確率が高いと言われています。
悪性のものは転移をするものも勿論あり
手術で腫瘍を取った後も、定期的な検査が必要になることもあります。
早期発見、早期治療が大切です。
イヌやネコは乳頭が何対もありますよね。
乳腺も胸からお腹まで長く繋がっています。
乳腺腫瘍の基本的な治療法は「手術」となります。
しこり「だけ」を切除する場合もありますが
乳腺で繋がっているところには、悪性であれば転移の可能性がありますので
悪性の疑いがある、悪性か良性か分からない場合は
いくつかの乳腺をまとめて切除する手術となります。
左、右、前3対、後2対の4ヶ所に分け、
しこりのある部分がどこかによって、手術範囲を決めます。
複数の腫瘤がある場合には、片側の乳腺を全摘出したり
間をおいて手術を繰り返す必要がある場合もあります。
また、リンパ節に転移していないかを検査するため
リンパ節の切除を行う場合がほとんどです。
範囲の大きな手術となりますので、
1~3泊くらいの入院が必要となります。(状態にもよります)
また、ホルモンが腫瘍形成を促す可能性がありますので
避妊手術をしていない子では
同時に避妊手術をするようになります。(2泊以上の入院となります)
切除した腫瘍は病理検査に出し
悪性か良性かを検査してもらいます。
良性であれば手術の傷の抜糸が終われば治療終了となります。
悪性であった場合は、転移の可能性などを考え
胸のレントゲンや腹部のレントゲン、超音波検査など
全身の検査をおこない、定期的な検査をおこなっていきます。
悪性の乳腺腫瘍では、大きく育って自壊、出血して
生活の質を著しく落とすこともあります。
肺などに転移してしまうと呼吸の悪化をまねきます。
乳腺腫瘍は、中高齢で未避妊の子に多い病気です。
早期の避妊で確率を下げることが出来ますが
2回目の発情以降で避妊した場合、
乳腺腫瘍の発生確率にあまり差がないとの報告もあります。
泌尿器の発達などを考え、当院では生後7ヶ月以上での避妊手術を
お勧めしています。