高齢犬のトリミングについて
当院ではトリミングサロンを併設しています。
しかし、場合によってはお断りをさせていただく場合もございます。
「病院併設なのに?」と思われるかもしれませんが
トリミングというのは、思うよりワンちゃんに負担のかかるものです。
当院のトリミングの流れとしては、爪切り足裏カット、肛門腺絞り、耳の洗浄などの
日常的なケアを含み、その後全身のシャンプーとカットをおこないます。
全身のシャンプーとカットにどのくらいの時間がかかっているか
皆様はご存知でしょうか?
人間のように頭部だけのシャンプー、ドライであれば
ささっと終わってしまいますよね。
しかしワンちゃんは全身に毛が生えています。
さらにその毛質も様々。
多くは人間よりも細く、よくよくブラシを通しながら乾かさなければなりません。
池田は獣医師ですが、我が家のポメラニアンとプードルのシャンプーカットは
自分で行っています。(3~4週に一度)
ポメは毛質固め、やや密、皮膚疾患なし、身体バリカン、顔胸尻のハサミで
最初は2時間半かかりました・・・。現在は1時間半。
プードルは毛質細くやわらか、皮膚疾患なし、やや脂多め、カットは色々ですが
これまた2時間は必ずかかります。特にドライに時間がかかります。
一般的にトリミング犬種と言われる子のシャンプーカットには
2時間以上の時間がかかります。
ドライヤーを当てる作業だけでも、人間の何倍もの時間がかかります。
また、ドライやカットは立たせておこなう時間も長いです。
想像してみてください。
全身のシャンプー、温風を当てられ全身ブラッシングされ、カットの間はできるだけじっと
トリミング台で立っている状況が2時間。
人間が美容院でカットしてもらう時は、椅子に座りますが
ワンちゃんはそうはいきません。
へとへとになりますよね。
高齢犬の多くは持病を抱えています。
心臓の悪い子は、少し興奮しただけで病気を悪化させる可能性があります。
心臓の病気の悪化で肺に水が溜まってしまうと、命に関わります。
足腰の弱っている子も多いでしょう。
よろめいた拍子にハサミで怪我をさせてしまう危険性もあります。
神経症状を起こす子の中には、興奮やストレスで発作が起きる子もいます。
勿論、高齢で持病があっても、定期的に診察を受けながら
当院でトリミングしている子もいます。
しかし、病気の進行によって「今後はお受けできません」と
お伝えする場合もございます。
病院併設であっても、100%安全に必ずトリミングを完遂できるわけではありません。
ワンちゃんを綺麗に保ってあげたい、というお気持ちはよく分かります。
爪切りや肛門腺絞り、足裏カットや部分カットなど
負担の大きいシャンプー、ドライをしないでケアをすることは可能です。
しかし同時に、おうちでのケアもおこなっていただきたいです。
ドライシャンプーや部分シャンプー(足先だけとか、お尻だけとか)で
汚れを綺麗にしてあげること、
ブラッシングをして抜け毛をケアし、毛玉を作らないようにしてあげること
皮膚の血行促進にもブラッシングは役立ちます。
皮膚疾患をお持ちの子は特に、日常的なケアを大事にしていただきたいです。
今、元気にトリミングに通っている子も
いずれは年を取り、もしかしたら大きな病気を抱えるかもしれません。
ワンちゃんを飼っている方は
その時に困らないように、慌てないように、
日常的なブラッシングやケアを、元気なうちから練習しましょう。
1~2ヶ月で1度のトリミングが出来なくなっても
1週間、数日、むしろ毎日の小さなケアをしていくことで
ワンちゃんの快適な暮らしを守ることが出来ます。
