狂犬病ってどんな病気?
予防接種のシーズンでもあり
検疫の特例措置などで、話題になっている「狂犬病」ですが
日本が清浄国になって期間が長いため、
どんな病気かご存知ない方も、多くいらっしゃると思います。
狂犬病、という病気の名称ですが
全ての哺乳類が罹る病気で、発症すれば確立された治療法はありません。
犬に噛まれて感染することが多かったため、この名称になったものと考えられています。
日本では1957年以降、国内発生はなく現在は「清浄国」として位置づけられています。
しかし全世界ではまだ毎年約5万人以上が死亡している、恐ろしい病気です。
初期症状は風邪に似たようなものですが
中枢神経を侵し、進行してくると神経症状が進み、
けいれんや多臓器の不全によって死に至ります。
発症すれば、ほぼ100%が死に至る病です。
検査をすれば感染は分かるのでは?と思うでしょうが
発症前にウイルスを検出し、感染を確定することは非常に困難です。
今までの経過や、潜伏期間(最大180日)をおいての観察が非常に重要となってきます。
潜伏期間・・・コロナと比べてどうですか?とても長いですよね。
現在、犬に咬まれた事故に対しては
「狂犬病ワクチンを接種しているか」
「接種していない犬では、狂犬病にかかっている可能性がないか」
を調べなくてはなりません。
細かな項目を何十個も、しかも期間を置いて何回か動物病院で確認します。
これは全て、「狂犬病に罹っていないことの証明」に必要です。
では何故、清浄国である日本で狂犬病ワクチンが義務化されているのか。
現在は世界と輸入・輸出で非常に密接な関りがあります。
検疫をおこなっているとはいえ、それは限られた動物のみです。
もし狂犬病ウイルスが日本に入ってきてしまったら・・・
新型コロナウイルスの流行で、集団免疫を獲得するために
多くの人々がワクチンを打ちましたね。
実は、日本の狂犬病ワクチン接種率は、それより低いのです。
咬傷による感染だとしても、流行してしまったら
「狂犬病ワクチンを接種していない」犬に
「咬まれる」ということは、「死に至る病」と直結するかもしれないのです。
もしも、は起こってしまってからでは手遅れです。
狂犬病予防法は厚生労働省の管轄です。
人を守るための、法律です。
自治体での犬の登録、毎年の狂犬病予防接種、
そしてその証明(犬に鑑札と済票を装着すること)は飼い主様の義務です。
それは、大事な家族であるワンちゃんを守ることにも繋がります。