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【診療時間】9:00~12:00 / 16:00~19:00
※水曜、祝日午後は休診。

症状別症例紹介

気管虚脱(きかんきょだつ)

種類
症状
咳が出る
病気
呼吸器の病気

小型犬や、短頭種のワンちゃんで
比較的多く見られる「咳」の症状が特徴的な病気です。
どちらかと言えばシニアの子で多く認められます。

この病気は、気管を形成している軟骨の硬さがなくなってしまうことで
気管が過度に柔らかくなってしまい
きちんとした形を保てないことで、気管が狭まってしまう病気です。
気管が狭くなり、壁がくっつくことで咳が誘発されます。
よく、「ガチョウの鳴き声」と例えられる
「ガーッ、ガーッ」といった特徴的な咳が起きることで
飼い主様にもよく気付かれる症状が起きます。

痰を出そうとする動作がよく、「吐きそう」といった
状態にも見えるため、咳と吐き気というのはなかなか判断しづらいかと思います。
咳?吐き?など気になる症状を見かけた場合には
まずは動画を録っていただくことで、
病院でも説明をしやすく、客観的に状態を見ることが出来ます。

気管虚脱による咳は、原因をすぐに取り除くことが出来ませんので
基本的に慢性化します。
基本的に咳を起こしやすくなる原因
気温の変化や、唾液の飲み込み、水を飲んだ時のむせ、
気管の圧迫、興奮などでも簡単に咳が引き起こされます。
「咳」というのは、人間でも同じですがかなり苦しいものです。
慢性的な咳は、それだけで生活の質を落とし、体力を奪いますので
出来る限り咳を起こさないようにしていくのが、大切になってきます。

「咳」の症状が認められた場合には、まずは聴診をし、
多くの場合には胸のレントゲン撮影をします。
咳を引き起こす病気は様々ありますが、心臓や胸の音を聞くことは
とても重要な診断指標となります。
レントゲン撮影で、呼吸の最中に気管が狭まっている状態を確認できれば
「気管虚脱」が診断されます。

治療としては、内科治療で「咳を止める」ことが主になってきます。
咳止めのお薬や、消炎剤、感染が疑われるときには抗生剤を処方される場合もあります。
また、咳を引き起こす原因を取り除いてもらうことも重要です。
首輪をしているのであれば、出来るだけ首に負担のかからないものに変更してもらう
気温差に気を付けてもらう
水を飲むときは、むせないように容器の位置などを変更してもらう
過度な興奮や、体重の増加も気管に負担がかかります。
生活の中で「咳を起こさないようにする」工夫をしてもらうようになってきます。
口の中の環境が悪いと、吸い込んで気管に炎症を起こすおそれもあるため
歯石の蓄積や歯周病にも気を付けていきたいですね。
また、関節炎治療に使われる注射薬などを使うことで
症状を緩和できることもあります。