肛門周囲の腫瘍、腫瘤
- 種類
- 犬
- 症状
- できものができた
- 病気
- 腫瘍
ワンちゃんでは、特にトリミングの時に
お尻周りのお手入れをしてもらう子も多いのではないでしょうか。
お尻周りは汚れやすい部位ですので
飼い主さんも日常的にチェックしている部分でもあるのではないでしょうか。
肛門の付近に「できものができた」時
背中やお腹にできもので出来たときよりも、
サイズが小さいうちから気にして観察していく必要があります。
肛門の付近には多くの神経や筋肉が存在しています。
その多くは「排便に必要な」ものです。
「排便を我慢する」または「出したいときに排便させる」ために
神経も筋肉も重要な働きをしています。
つまり「切除して良い部分が少ない」のです。
肛門の近くに出来る「できもの」にも良性のものと悪性のものがあります。
良性腫瘍である「肛門周囲腺腫」は高齢の未去勢のオスに多いと言われています。
この腫瘍はホルモン依存性であるため、去勢手術を同時におこなったり
腫瘍の大きさを小さくするために先んじて去勢手術をおこなうこともあります。
メス犬でも発生する可能性があります。
悪性腫瘍である「肛門周囲腺癌」はオス犬に
「肛門嚢腺癌」はメス犬に多いと言われていますが
こちらは去勢や避妊をしていても発生する場合があります。
悪性腫瘍の場合には、排便障害や痛み、転移の可能性もありますので
まずは細胞診や生検によって腫瘍の「種類」を診断する必要があります。
治療としては基本的に外科的切除がおこなわれます。
肛門周囲という場所柄、外科切除後の傷口の感染には大いに注意しなくてはなりません。
良性腫瘍の場合は切除が成功すれば、基本的に治療終了となりますが
同じ腫瘍が違う場所にできることもあります。
悪性腫瘍で切除が不可能な場合、また十分に切除することが出来ない場合には
放射線療法や抗がん剤治療が適応になる場合があります。