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【診療時間】9:00~12:00 / 16:00~19:00
※水曜、祝日午後は休診。

症状別症例紹介

会陰ヘルニア

種類
症状
おしっこが出ない/便が出にくい
病気
泌尿器の病気/消化器の病気/生殖器の病気

「ヘルニア」というと、脊椎の病気や

臍ヘルニアなどの腹部にあらわれるものを

思い浮かべる方が多いかもしれません。

ここでお話する「会陰ヘルニア」とは

会陰部(お尻周り)の筋肉が分離し、ゆるみが出ることによって

直腸や腹腔内の臓器が会陰部の皮下に脱出している病態を言います。

中~高齢の去勢していない雄犬に多く認められますが

雌犬や猫にも稀に発生することがあります。

症状としては尾の付け根辺り、肛門の左もしくは右、もしくはその両方が

腫れてくること、そして排便が困難になることが挙げられます。

筋肉の隙間から直腸が出ていることが原因で

外側からゆっくり押すと、筋肉内に戻ることがほとんどです。

しかしヘルニア孔が大きくなってしまうと、

ヘルニア内で腸が絞扼されてしまったり、

また膀胱が脱出してしまうことによって

排尿困難からの腎障害に繋がることもあります。

確定診断としては、レントゲン撮影や超音波検査で

腫脹部分の構造を確認したり

造影剤を使ってのレントゲン撮影をおこなうこともあります。

治療としては、第一に外科手術が挙げられます。

ヘルニアを塞ぐだけではなく、

再脱出を防ぐために直腸や膀胱を固定する手術になる場合もあります。

また、男性ホルモンが会陰ヘルニアと関連すると考えられますので

去勢手術を一緒に行うことがほとんどです。

会陰部の筋肉の萎縮は、術後も進んでしまうこともあるため

定期的に直腸検査をおこなって状態を確認したり、

再脱出が確認される場合には、再手術となる場合もあります。

また、便秘は会陰ヘルニアの病態を悪化させる要因の一つですので

便が硬くなりすぎないように、療法食のフードやサプリメントを

続けて頂く場合もあります。

年齢的に、また持病があって麻酔リスクが高く

手術ができない、手術を望まない場合には

排便を手助けするためにコルセットなどの

装具を用いることもあります。